箸を磨いたら嫁に笑われた

バックグラウンド的な理由はこちらを読んでもらうとして、

これから100均で買った10本セットの安い箸をピカピカにした記録を書いていく。

安いビールの入っていたダンボールに鎮座した箸。

このうち1本を削り、磨いた。

昔流行ったアルミホイル丸めて叩いて鉄球にしたような、あのビカビカな感じ。それを目指した。

箸の表面はざらざら。そして正方形状に角ばっている。

普通に使っているとささくれだってくるので、この磨き上げによってそれも改善してくれたらいい。飯の口当たりも良くなるかも。

我が家にあった紙やすり3種セットを使った。

60、100、400という粗さの違うやすりを順番にかけていく。

そして、やろうと思えば箸の体積がなくなるまでできるので、それぞれ1時間というタイムリミットを設けた。ちなみに場所はベランダです。


【1時間目】

60番のやすりでスタート。何も考えず、ひたすらこすっていく。

やっていると、小学生の時、同級生が工作の時間に紙やすりを使って勾玉のようなものをピカピカに磨き上げていたことを思い出した。すごく羨ましかったなぁ。

俺は30手前でこんなことしてるぞ。見てるか、小学生の時の俺。結婚して子供もいるぞ。元気だぞ。

ではここからは、作業中に書いたメモに沿って、箸と僕の状態をお伝えします。


■5分経過

・5分表面をやすりがけしただけで、触って分かる程度にはつるつる。

■10分経過

・手の感覚だけで、その部分がまだ削れるかどうか分かるようになった。まだの部分は少しひっかかる感触がある。

・そして無心。何も考えなくていい時間は、良い。

■20分経過

・やすりがけしてないものと比べると、手触りが全く違う。つるつる、すべすべ。

・何やってんのかな俺、という疑問が頭の中を回る。

・ベランダ寒い。エアコンの室外機の風が冷たい。

■30分経過

・角が取れて円形に近づいてきた。

■40分経過

・木目がはっきりと浮かび上がってきた。美しい。ギターの木目マニアの気持ちが分かる。

・頭の部分が削りにくい。

■50分経過

・肩が痛い。

・時間の進みが遅い。

■1時間経過

・あと2時間あるのか。

・休憩だ。

・鼻水が止まらない。


1時間終了。

メモ見返したら弱音ばっかり書いてた。

こちらが1時間終了時の写真。

角は取れたけどピカピカ!って感じではない。

ただ色合いがちょっと濃くなったか?

比較。上がやすりがけ後で、下が何もしてない状態。

では、次に100番のやすりで1時間。


【2時間目】

なんで同じ色味のダンボールの上で写真撮ってたんだろ。


■10分経過

・真ん中の辺りをやりすぎてくびれてきた。やべえ。折れるかも。

■20分経過

・ちょっと持ち直したか?

■30分経過

・表面の感触は10分前、20分前と違いが分からない。

・めっちゃ細くなってきた。

■40分経過

・ほっそ!やばい!無になる!

■50分経過

・これやり方おかしいのでは?ほんとなくなっちゃう。

・先っぽの方を入念にやりすぎて焼き鳥の串みたいになった。

■1時間経過

・箸を磨いてると嫁と子供には伝えていなかったが、ベランダで長時間シュッシュしている俺に気付いたらしく、終わって部屋に入ったら「おつかれ」と言われた。

・削ると磨くは違う。


最後に悟りを開いた。

「あ、削るのと磨くのは違うんやな」と思った。

これが2時間終了時の箸。

目標とするピカピカは遠く、ただただ細くなっていった。

このままでは無を生み出してしまうと考え、ちょっとネットで調べた。

そしたら「木をやすりでピカピカにするには、400番から始めて最後は2000番」という風なページを見つけた。

ここで気づいた。

使ってる紙やすりの目が粗すぎた!

我が家にある紙やすりで1番、目の細かいものは400番。ネットに書かれていたのを参考にすると、スタート地点に立って終わりだった。

このまま続けてもピカピカにはたどり着けない。

なので予定を変更、ここからは布磨きだ!


【布磨きで3時間】

木工の表面を布で磨くとピカピカになる、という聞いたことあるようなないような知識が頭の中にずっとあったので、実行することに。ちなみに今ネットで軽く調べた感じ、そんなやり方は見つからなかった。

削りカスがでない作業なので家の中に移動。

布は、要らなくなった子どもの服を切ったもの。

これで、表題にもあるように、3時間磨いた。


ケバブを焼くように箸をくるくる回しながら、布で磨いていく。

テレビを観ながら、YouTubeの動画観ながら、できる。

家の中ってあったかいんだね!

そうして冬の寒さにやられていた心が少し持ち直した。

「休憩したっていいんだよ。温かいコーヒーを飲んでもいいんだよ。

箸磨きは生活の一部。全てをそこに捧げなくてもいんだよ。」

誰かが耳元で囁いた。多分自分の中の自分だ。ありがとう自分。がんばるよ俺!


■1時間経過

・布は手応えがないから、今どれぐらい進んでるのか分からない。

・反ってきた。

・ちょっと光を反射し始めた。


ずっと同じ体勢で磨いているとしんどいので、腕の角度を変えつつ作業した。

子どもが「触らして」と言ってきたのでどうぞ、と渡すと「すべすべ!新品みたい!」と喜んでいた。いや新品の箸磨いてるから新品です。

自分でも「だいぶつるつるやし…だいぶピカピカやん…」と思い始めたので、嫁に自慢するために渡した。

嫁はなぜか笑いながら「そうやねえ、ピカピカやねえ。すごいねえ」と言ってきた。

これはあれだ。母親が自分の子供の描いた絵を褒める時のテンションだ。微笑ましさが入り混じった類いのやつ。

子供扱いされた気分だ。なんだろう。ちょっとだけ悲しい。

ほら光反射してるぞ!どうだ!俺はすごいだろ!な!嫁!


■2時間経過

・まあ…テカってる…さっきよりは…。

・まだ…いける…多分…。


ことあるごとに箸を磨いている僕を見て、嫁が「まだやっとる」と笑っていた。

やってるさ!


■3時間経過

・布終わり!


ということで布磨きが終了した。

ピカピカしてるけど、写真じゃ伝わりづらいのが悔しい。フラッシュ焚いてみたけど微妙。

ぜひ我が家に来て手にとってみてください!ほんとピカピカしとるから!こんな反射なかったから!始める前は!まじで!


【最後に】

実はネットで木の磨き方を調べているうちに「仕上げにオリーブオイルを塗ると良いよ」という話を見かけていたので実践。

なので、最終の仕上がりはこちらの写真です。

うーん!

分かりにくい!

でも、これなら分かるのでは。

元の状態との比較写真。

色合いが濃くなり、細くなり、そして光が反射している。

ね?分かるでしょ?ねえ?聞いてます?

合計で約5時間、箸を磨いた。

ただ、これをもう一回やって、2本にしようとは思っていない。

というのも、細くなり過ぎていて、これがもう1本あったところで使いにくそうだから。

次やる時は適度な太さを保ったまま仕上げよう。

でもまた嫁に笑われるかな。それはちょっと嫌だな。

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