花見など夢のまた夢

家の庭に咲いている桜の花が散ってしまった。


この時期に咲いた花なのでソメイヨシノではないし、というか桜なのかも怪しいし、庭って言っても基本的に立ち入り禁止なアパートの空きスペースなので事実とは全く違うんですが、

一応毎年花見をしに出かける系家族だった我々が、最近の生活苦に際して、

「もう今年はこの花見ながらベランダでなんか食べるか!」

という節約花見が企画していたので、

そのメインとなる花が散ったことに若干の喪失感を感じているのです。

そんな気持ちを「一軒家に住み大きな庭には桜の木があり、春には満開に咲いた桜の下で親戚一同集まって宴会を開いている家の家主が、今年は例年より桜が咲くのがはやくてタイミングを逸してしまったことを嘆いている」というイメージまで膨らませて出た言葉が冒頭です。


だんだん春らしく暖かい日が増えてきて、

防寒の上着は押入れの中へ。

あったかいお茶を飲むのもそろそろ終わりかななんて。

ゴミ箱に入れた生ゴミが腐って臭いを発するようになり、

ちょっと動いただけで額から汗が吹き出し、

靴下脱いだ時の足の臭いにしかめ面。

虫も増え、

未来を夢見るキラキラした若者に心を閉ざし、

家から一歩も出ない休日を暮らして、

冷蔵庫の中身の少なさに辟易し、

インターネットの海で罵詈雑言を見かけては悲しくなり、

連絡する友人もおらず、

酒ばかり飲んでいる。

あれ?俺、春嫌いなんじゃ……。


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