リライトから女性像を超幻想

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」から女性像を妄想する、というテーマ。


・28歳

僕の年齢に合わせた。僕の年齢と同じであれば、多感な中学生時代にASIAN KUNG-FU GENERATIONと出会っているはずだ。それまで親の車のカーステレオから流れていたJ-POPや音楽番組に出演する有名アーティストしか知らなかった彼女。しかし中学生になり「私という存在は周りとは違うんだ!」という感情が芽生える。女の子はませているとよく言われるから、そういう自意識を持つタイミングとしてはちょっと遅いかもしれない。しかし、かわいいものやイケメンにキャーキャーしているクラスメイトと一緒にされたくない、という思いが胸の内に渦巻く。そしてある日、出会う。アニメ「鋼の錬金術師」の主題歌として。


・仕事はデザイン関係

中学時代に芽生えた「私という存在は周りとは違うんだ!」という感情は彼女をクリエイティブな世界へ誘ったはずだ。周りとは違うことがしたい、普通の仕事なんてしたくない!年齢を重ねるごとに段々と自分は特別な存在ではないことに気づき始めるが、しかし根幹にある「周りと違うことをしたい」という思いは捨てられず、デザインの道を目指した。

美大にいけるほどの画力はないので専門学校へ。そしてなんとなく選んだ映像科。なんとなく、と書いたが、バンドマンたちは音楽雑誌やMVで顔出しをする。バラエティ番組で彼らを見かけることは少ない。音楽雑誌であればプロのカメラマンがかっこいい写真を撮るし、MVであれば曲の雰囲気などが合間って、メンバー自身がかっこよく見える。「かっこよく見える」→「私も彼らをかっこよく見せたい!」という無意識下での選択である。

しかし映像自体に特別興味があるわけではないので、就活のタイミングで自分の方向性に悩む。それなりに作品は作ってきたけど、映像制作会社に入れる気はしない。授業である程度パソコンの知識は身についているからとりあえず間口を広くし、デザイン系の会社も受けてみる。すると印刷会社の面接に受かった。他に行く当てもなし、そこに就職することになる。

20歳で就職。25歳の頃には転職も考えたが、今の会社でそこそこ積んできた経験をリセットするのが怖くて踏み切れず、現在に至る。


・黒髪

専門学校時代は暗めの茶髪程度に染めたこともあったが、基本的には黒髪。肩口ぐらいまでのストレート。これ以上長くはしない。「最近のバンドマンの髪色はハデすぎる」という印象を持っている。これはASIAN KUNG-FU GENERATIONにハマった経験から来ている。彼らは正直な話、見た目が地味だ。ロックバンドっぽい派手さはない。いかつさもない。しかしそんな見た目だからこそ、人々の共感を得た。誰しもがロックスターになりうる可能性を見せてくれた。髪色や服装なんて関係ないと教えてくれた。

専門学校に入学して初めての一人暮らしを経験。ちょっとした興味で茶髪に染めてみた。染めてみたが一ヶ月ほどで黒髪に戻した。理由としては鏡を見て「普通だな」と感じたから。最初の一週間は目新しさもありウキウキしていたが、一ヶ月も経つと自分も周りも慣れてしまった。「人の印象は慣れるんだな。髪の色だけ変えたって自分の存在証明にはならないんだ」ということに思い当たった。


・彼氏はいる

彼氏はふたつ年下。身長は170に届かないぐらいで、細身。自分より痩せてるんじゃないかと疑念を持っている。髪型は耳にかかる程度のもじゃっとした黒髪。仕事は映像関係のカメラマン。少しだけスチールも触れる。

出会いは近所のバーだった。友人と飲んでいると若い男が話しかけてきた。短髪で口調のちゃらい男だった。酔っていたこともあり、なんとなく相手をしていた。彼は向こうの席で一緒に飲まないかと誘う。口調がちゃらいだけで特別悪い人という感じもなかったので了承。席に座ると彼がいた。ニコニコしながら座っていた。基本的にはチャラい方がよく喋り、彼は大人しめだった。話も弾み、音楽の話題へ。彼は「知ってるかな」と前置きしてSTRAIGHTENERが好きだと言った。もちろん知っていた。ASIAN KUNG-FU GENERATIONとSTRAIGHTENERの仲の良さはファンの間では有名である。アルバムを持っているというわけではなかったが、何曲かは聴いたことがあった。ちなみにちゃらい方はaikoとmiwaが好きだと言っていた。

その日は連絡先だけ交換して別れた。後日またバーに集合し、みんなでお酒を飲んだ。そんなことがたびたびあり、彼の大人しい人柄に惹かれ始めたのでこちらから2人で飲まない?とアプローチ。2回目のデートで告白され、もちろんOK。してやったりという表情をした。


・リライトについて

中学生時代から追っかけているASIAN KUNG-FU GENERATIONを知ったきっかけの曲、ということで思い入れはある。しかし自分が邦楽ロックが好きということは周囲にはあまり話していない。「へえ、どんなバンドが好き?」と聞かれて答えても相手が知らない場合が多いからである。しかし職場の同僚とのカラオケで「好きな曲歌ってよ!」と言われる。そんな時にリライトを歌う。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲の中でも特別有名だからである。サビを歌うと「ああ!あれね!」という反応がもらえる。実はアジカンの中で一番好きな曲は「アンダースタンド」なのだが、それは場の雰囲気というものがある。彼氏とのカラオケでは歌う。


とりあえず以上です。

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