荒木若干

記事一覧(39)

フラッシュバック

昔の失敗を思い出しては後悔する。ここ半年で数が増えた。思い出せてないこともあるかもしれない。迷惑かけた相手は忘れているかもしれない。そう思うと何故だか後悔に拍車がかかる。独り言が増えて、酩酊することも多い。一時、音楽とか漫画とか好きなものに触れて気にならないこともあるが、やっぱりそれはぶり返してくる。毎日ネガティブだけで暮らしているつもりはないが、どうしたって繰り返し思ってしまう。先日ライブを観に行った。超満員。ちょっと動くと軽く人の足を踏んづけてしまうぐらいの。目の前には若い女の子と30過ぎぐらい?の男が立っていた。「すみません、このライブって結構盛り上がるやつですか?」女の子が男に話しかけた。2人は知り合いではなかった。女の子はあとから一人で入場してきた。盗み聞きをしたかった訳ではないが、距離が近いのでどうしても会話が聞こえる。「いやぁ、そうですね、ううん、そうでもないような…」男は言葉を濁していた。ベテランロックバンドのライブだ。激しめな曲もある。踊れー!と客を煽るバンドではないが、揉みくちゃの可能性もある。「私、最近このバンド知って。でもこういうライブハウスとか来たことなくて」「そうなんですか。どちらから来られたんですか」話が続く。男の雰囲気的に、ただの先入観で申し訳ないが、こういう場所で若い知らない女の子から話しかけられるのは初めてに見えた。少し浮足立っているのが背中越しに伝わってきた。話が盛り上がっている。僕の隣に立っている別の男性もそわそわしている。僕と同じように、目の前の会話が気になっているようだ。というかその周辺全員がそわそわしていた。男はこのライブのバンドTシャツを着ていた。そこそこコアなファンっぽかった。対して女の子はこのバンドを最近知ったと言う。どういうバンドですかと聞いてくる。そりゃあどんどん話したくなるのが、男心、マニア心というもんですわ。本番直前、最終的に男は女の子に対してタメ口になっていた。最初はしっかり敬語だったのに。盛り上がったのだろう。本番が始まった。会話も終わった。僕はライブ途中でトイレに行き、最初の場所に戻れなくなったので、その2人がそれ以上会話したのか分からないまま帰った。あの2人はライブが終わったあと会話をしたのか。ライブどうだった?あの曲良かったね。もしかしたらそのまま食事でもどう?なんて。しっぽり夜の街に消えていったかもしれない。いやもしかしたら男が誘って、しかし女の子は断ったかもしれない。男は話したいが、女の子はそうでもなかったらどうしよう。そうなれば、去る女の子の背中を見ながら男はきっと後悔する。浮かれていたんだな、俺は、と。電車に乗りながらそんなことを考えていた。もしそうなってしまっていたら、男はバンドの曲を聴くたび、そのことを思い出して恥ずかしい気持ちになるかもしれない。僕が後悔を思い出すように。僕らは仲間だ。みんな仲間だ。僕はそのあと1人で居酒屋に入り、隣のバツイチ同士で飲みに来たという男女と仲良くなって色んな話をした。そして帰ったあと、なにか変なことを2人に言わなかった考え込んで、妙に眠れなかった。

喋るなじいさん

バンドの打ち合わせという名目の飲み会を終え、僕は一人でスナックに入った。その店は2度目だった。以前行った時、セックスするなら黒人が一番!と言うおじいさんがいてとても楽しかったのでまた足を運んだ。店に入ると店のママと以前もいた常連さんらしき人たちがいた。カウンターに座って、あ、また来たんや、来ましたよ、などと話をしながら麦水割りを飲んでいた。そこにおじいさんが1人、入ってきた。黒人セックスおじいさんではなかった。突然だったので内容はあまり覚えていないが、おじいさんは僕の隣に座って話しかけてきた。話しかけてきたので相槌か何かを打ったと思う。そうしたら「喋るなボケぇ」と怒られた。ママと常連さんと僕は揃って、えっ、という顔をした。おじいさんはかなり飲んでから来たのか酔っていた。この店になる前もこの場所はスナックで、一度飲みに来たと言う。おじいさんがその店のスタッフの名前を出した。聞いていたママはその店とは関係ないので誰だろうという顔をしつつ、適当な相槌を言った。するとおじいさんは「喋るなボケぇ」と怒った。おじいさんが喋りかけ、それに返事をすると怒られるという理不尽な空間が仕上がっていた。僕はこの頃、おじいさんの隣は可哀想という常連さんの助け船で、常連さん側の席に移動していた。しかし僕はほぼノータイムで「喋るなボケぇ」と怒るおじいさんが面白かった。全然不快な気持ちではなかった。ただ、おじいさんの相手をしていたママはそうではなかった。というか面白かっただけで僕からしてもおじいさんの謎の怒り方は酷かった。ママはそのうち「ちょっと!」と声を上げた。「なんでそんな喧嘩酒なん!雰囲気悪なるだけや!お代は結構ですからお帰りください!」おじいさんはなんやと!と怒った。しかしママは至極冷静に、シンプルに帰りなさいと怒っていた。おじいさんは怒りながらも時折笑顔だった。こういう泥酔はつまり本気で「喋るなボケぇ」と怒っている訳ではなく、酔って気が大きくなっているだけだ。しかしママに本気で怒られている。なので自分としては楽しく飲んでいるだけなのにめっちゃ怒られている状況になっている。おじいさんは半笑いで、しかし言われたからには怒っていて、なんやねんとぶつぶつ言っていた。多分頭の中は大混乱だっただろう。おじいさんが帰るが金は払うと言う。ママは突っぱねる。押し問答しながら、おじいさんは隣の店で飲む!と出て行った。おじいさんがいなくなると何だったんだあの爺さんというその場にいた人間全員の共通意識が生まれたと共に、まったりとしたスナックの雰囲気に戻った。僕はそういうよく分からない雰囲気が楽しくて酒が進み過ぎてしまい、ほぼ記憶を無くして帰宅、次の日二日酔いで仕事へ出向き、酒臭いと怒られた。酒は楽しい。酒は怖い。

音楽性格診断似非新書

僕は、音楽をしている人を「プレイヤー」と「クリエイター」の二種類に分けられると思っている。「プレイヤー」は技術タイプ。「クリエイター」は創作タイプ。理系と文系みたいなものです。昔から音楽を趣味にしてきて、そういう仕事もちょっとして、それなりの人数音楽をやっている人を見てきた結果、そんな分け方が出来るなあと思いました。僕はクリエイタータイプです。プレイヤーは、自分の創作活動のために、音楽をたくさん聴いている人が多い気がする。創作活動のため、にね。音楽がインプットでアウトプットも音楽。社交的な人が多い。クリエイターは創作活動の活力を音楽とは別の場所から引っ張ってくる人が多いと思う。本とか映画、日常生活とか。インプットは多種多様でアウトプットが音楽。プレイヤーより癖の強い人が多い気がする。細かく書くともっと判断材料あるし、プレイヤー寄りのクリエイターとかその逆とかもあるけど、それは割愛しまして、なんとなく色んな人を見ていて「これは自分には出来ねえな」とか「これは試してみようか」とか思うタイミングで、「あ、この人はクリエイタータイプだな」とぱっと仲間意識を持ってしまう自分が、あ、気持ち悪いな、っていう話です。

豚汁ラプソディ

9月と言えば僕の誕生日である。それはもう盛大である。過去の誕生日を例にあげると、僕はとにかく豚汁が大好物で、誕生日の日、カレー鍋で豚汁を作った。その時はすでに結婚していたが、自分で作った。嫁に「作らせろ」と申し出た。約4リットルの豚汁は晩飯に登場し、翌朝には消え去った。それはロマンだった。ロマンは男を成長させる。ロマンなき人生に意味などないのだ。ここで豚汁に100パーセント必要な具材を挙げよう。豚肉。当然とかのレベルではない。神ってる。ゴボウ。ささがきも捨て難いが、そこは厚めの斜め切りだ。人参。薄い輪切りが人の輪を作る。長ネギ。あの時許せなかった出来事が、淡い思い出に変わる。豆腐。木綿の弾力ある食感が幼少の記憶を蘇らせる。こんにゃく。年越しそばのような細く長く生きるだけの人生なんてうんざりだ。歯ごたえを感じろ。苦難を楽しめ。大根。その姿は哀愁があり、また心に訴えかけてくる何かがある。それは果たして、自我にとっての安寧、言い換えては堕落なのかもしれない。見方を変えればまるで麻薬のような存在になる。しかし、立ち止まってはいけない。振り返ってもいけない。己を信じる心。他者を許す気持ち。過去の失敗から得る力。明日への希望。世界との繋がり。叡智がもたらす、いや今までの努力が積み重なった、そう、命に近しいもの。それが自分を強くし、時には辛く感じる時もあるだろうが、きっと自分を強くし、逞しく、そして誠実に。生きていく。僕たちは生きていく。28歳になります。

ダイジェスト日記(8月)

右往左往している。この夏は色々な場所に行き、精神的にはアップダウンが激しく、気が落ち着かない。ここ2、3日は飲酒量が減っている。夏バテなのかなんなのか、酒を飲むとオェってなる。体調が良い日がない。プールに遊びに行ったので日焼けして肩がヒリヒリする。ヒリヒリするほど外に出ていなかったのかと思う。インドア派に夏の日差しは厳しい。カメラを買う相談を嫁としているが、着地点が見つからない。とりあえずファインダーを覗けるカメラであれば、最低限いいかなと思う。出来ればFull HDの動画が撮れたら良い。高校野球が始まった。去年までは仕事真っ盛りの中、合間を見てテレビ観戦をしていたが、今年は家でだらだら見ることが出来ている。せっかく関西に引っ越して来たのだから、機会があれば甲子園まで見に行きたい。曲を作りためている。以前は一曲出来ればすぐ発表していたが、ちょっと出し惜しみしてみようと思った。現在2曲完成している。なんとなくアルバム風な感じで年内に公開出来ないかなと思っている。Instagramを始めた。というか改めて始めた。昔やってた。ちょっとでも写真の練習になればと思ってやっているけど、今の所手応えはないので、続く気がしない。スマホのみんなのゴルフばかりやっている。子供に「お父さんの好きなものはみんゴル」と思われているらしく、スマホを触っていると「みんゴル?みんゴル?」と聞かれる。夏が過ぎていく。

何番目の擬宝珠が良い感じなんでしたっけ

京都の嵐山に行った。昔、通った学校のすぐ近くなので思い出が蘇っておセンチになるかなと思ってたけど、そういえば学生時代は嵐山=観光地で、人は多いし売ってるものも割高だしという偏った考え方であんまり行かなかった。なので行ってみるとただただ観光しただけだった。全国的に有名な渡月橋という橋があるが、僕にとっては川を挟んで向こう岸に住んでいた友達の家に遊びに行くために渡る橋だったので生活道という印象。昔、その辺りに住んでいたという話を関西の人にすると、台風で渡月橋周辺が浸水被害を受けた話題がよく出る。僕はその時にはもう地元に帰っていて、テレビ越しに「うわぁ」としか言ってなかったので、そんなにその被害について深く思っていたわけではなく、「そ、そうですねぇ」という言葉しか出てきません。今回嵐山に行った時も、電車を降りて改札へ向かう最中、観光に来たらしきおばちゃん二人組が「この辺り大変だったのよねえ、水が」「水が。水がねえ」という話を歩きながらしていた。ぷらぷら歩いて見るとお土産屋が多いだけじゃなく、駅中にビアガーデン的なところがあったり、ちょっと裏道に入るとオシャレなカッフェがあったり、これは学生時代に来ても楽しめたなと思った。実際僕の周りにいた女子はよく「嵐山のカフェ行ったらぁ」みたいな話をしていたのを思い出した。当時はサブカル気取りかよクソ馬鹿野郎どもと思っていたが、今ならそんなこと思わずきゃぴきゃぴしながら店に入れるだろう。色々考えていたら嵐山が、思い出と地元感と関係ない場所感と観光地感が入り混じった、不思議な土地になった。

ダイジェスト日記(7月前半)

以前から書いている気持ちの落ち込みはまるで解決していませんが、開き直りかけてきているというか、考え方が明後日の方向へ動き始めていて、当初予定していた解決になりそうもなくなってきました。良し悪しは知らない。気分転換をしようと思い、色々やってみました。滋賀県甲賀市にある「忍者屋敷」に行きました。思い立ったら吉日、出発前日にスカイプで話したことはあっても一度も会ったことのない「お母さん」というややこしい名前の男を誘って行きました。道の駅で合流して忍者屋敷へ。車一台分の道を抜けた先にありました。中に入ると日曜日だからか、結構な人数のお客さんがいて、写真撮影していた外国人にぶつかってしまい、「オウ!ソーリー!」と謝られましたので、「いえ!」と日本男児な言葉を返しました。忍者屋敷は外見、平家の民家なんですが、隠し階段を上がれば中二階のある三階建でした。館内スタッフさんの説明を聞くとなかなか歴史に深みがあって、正直思っていたより面白かったです。ちゃちな仕掛けがあるだけだと思ってたから。大人向けだなあと。と思ったら入口の説明書きにも「基本的にこの忍者屋敷は大人向けの施設だから子供が遊ぶ感じの部分は少ないよ!」って書いてました。他にも行った場所はあるんですが、特筆出来るほどの内容がないので割愛します。道中、僕が運転手をしていたんですが、助手席に座った初対面の男に「面白いことを言え」と恫喝されながら動画撮影されていたことだけ、書き留めておきます。ユーモアハラスメント。

悲しい箇条書き

気落ちしていることを前回の記事で書いたが、じゃあ気落ちして、具体的に自分にどんな影響が出ているのかを書き出してみようと思ったので箇条書きで列挙していく。1…家事が億劫になった「最低限しなきゃ」という最低限のやる気でしか出来なくなっている。2…部屋の明かりをつけたくない一人の時はカーテンを締め切って電気を消して生活している。3…タバコを延々吸っているベランダに30分ぐらい座り込んで、気づいたら10本ぐらい吸っている。4…自分の顔をビンタする多分考えてしまうのをやめさせようとしている。無意識というか癖になっている。類似項目に「太ももを叩く」と「髪を搔きむしる」がある。あと独り言が多くなった気がする。5…家であまり笑わない外では笑ってるという意味ではないです。愛想笑いぐらいは出来るし。これでも社会人やぞ!楽しくないわけでもない。ただボーっとしていることが多いと思う。テレビ観て笑ったりは普通にする。6…悩みの原因を夢で見るこれは大分落ち着いてきた。先週は毎日見ていた。7…酒を飲む量が増えた許容範囲内で。昔は家で記憶が飛ばしてたけど、今はそんなことはなくなった。ぐらいかな。すごい!ネガティブが濃縮されてて見るに耐えない!あと昨日久しぶりに体重計乗ったら5kgぐらい痩せてたけど、これは引っ越ししてから生活リズムが変わったからだと思う。自分の感覚では、食欲は以前と変わっていないし、むしろ酒の量増えたから体重も増えてるだろうなあと思ってたからびっくりした。痩せたい方、遠方への引っ越し、オススメです。

ダイジェスト日記(6月)

現状、心が不安定だ。ネットにこういうことを書くと、バリバリのかまってちゃんではあるが、何か整理をつけないと気分が悪いので、日記として書いてみることにした。最近失敗続きで落ち込んでいる。僕は失敗をいつまでも引きずるタイプの人間だ。「あの時こうしていれば」を延々思い出して夜寝られなくなり、ひとりきりの時に奇声をあげる。そういう人、いるんじゃないでしょうか。僕は、「失敗をいつまでも引きずるタイプの人間」のことを「プライドが高い人間」だと思う。プライドが高いゆえに、失敗した時のズタズタ感が凄いのではないかと。Twitterでも書いたけど、僕は今、失敗の渦中にいて、何も解決していない状態で気分転換をしても状況は変わらず、一瞬現実から離れたところで、それが終わればまた不安定が襲ってくる。そんな状況を自己分析してみると、自分が「失敗していない」という自覚を持つことが、元の状態に戻れる核になると思う。つまり「プライドの高い人間に戻ること」が、精神的な解決になるのではないか。そしてその「失敗していない自覚」を持つためには、まあまあな量の情報を覚えて実践しなければならない。僕はそのまあまあな量の情報にへこたれている。へこたれて逃げても変わらないのは分かっているし、そう思ってその情報を覚える作業はしているつもりだが、覚えられていない部分に直面した時に、そこでまた「失敗した」と思い、凹む。堂々巡りである。これが近況です。解決策は分かっていて、その内容も当然のことだなあと思います。自分で読み返して、目新しい、珍しいことは書いてないなと。考えを整理して、愚痴をこぼして一体何になるのか、自分自身よく分かってないです。人に聞いてほしい訳でもないし。ネットに晒して何言っとんじゃって感じだけど。でもなんか書きたくなってしまった。これも現実逃避の一環ですね。気分が持ち直したらまた報告します。

ザッピングの業

都会はテレビのチャンネル数が多い。地元ではNHK(教育テレビ)、日テレ、TBS、フジだけだった。4つ。今は地デジ8チャンネルで、BS放送も見られる。ザッピングの右往左往がすごい。あとリアルタイムで放送される。高知県だと系列テレビ局の番組は時間通りに見られるが、そうじゃないものは高知県のテレビ局が入れられる時間帯に放送する。例えばMステは金曜日の夜8時に始まる。しかし高知県では違う時間に放送される。生放送ではない。というか今調べたら、放送自体なくなったみたい。まじかよ。確か深夜帯に放送していた。なので高校生の頃、Mステは深夜番組だと思っていた。プリキュアも放送されていない。スーパーとかでプリキュアグッズは売られているのに。いやここまで言ってアレですが、高知県のテレビ事情に文句があったよという話じゃないんですよ。チャンネル数が多いとね、見るもの決められないんすよ。「7時からはこれ見て、8時からはこれ、9時にはこれ」って計画が立て辛い。常に何かを見逃している気がする。謎脅迫観念。それを思うと、高知県は上手くバランスが取れていた。シンプルなので見るものが選びやすかった。そりゃあ今まで見れなかったあの番組が見られるという嬉しい部分もあるんですが、良し悪し、ではないけど、あちらが立てばこちらが立たずというか。